
自社ブログを続けるか見直す|判断の3つの目安とネタの回し方
会議の終わりぎわ、部長がふと言いました。「そういえば、うちのブログ、最近更新してる?」。開いてみると、最後の投稿は半年前。立ち上げたときは「月4本」と決めていたのに、更新作業や問い合わせ対応に追われるうちに、いつの間にか止まっていた。続けるべきなのか、やめていいのか。どちらとも言えずに、画面を閉じた——そんな経験はありませんか。
まず伝えたいのは、ブログが止まったのは、あなたが怠けていたからではないということです。兼務のWEB担当にとって、ブログは「急ぎではないけれど大事な仕事」の代表です。急ぎの仕事に押し出されるのは、自然なことです。だから今日は、「もう一度がんばる」ではなく、手元の数字を見て、続け方を選び直すところから一緒に始めましょう。
結論:自社ブログは「続ける/やめる」の二択ではなく、①ペースを落として続ける ②新しく書くのを休んで、今ある記事の手入れに回す ③いったん休む、の3つから選べます。
選ぶ目安は、(1) 検索から読まれている記事があるか (2) 問い合わせや営業につながった記事があるか (3) 月に使える時間がどれだけあるかの3つ。どれを選んでも、読まれている記事は消さずに残すのが基本です。
何が起きているのか:自社ブログが止まりやすい理由
止まってしまうとき、たいてい次のどれかが重なっています。
- 最初の目標が、兼務のペースに合っていなかった:「月4本」「毎週更新」は、専任の担当がいて初めて回る数字です。本業の合間では、1本書くのに半日かかることも珍しくありません。
- ネタが「自分の頭の中」だけにある:書くことを毎回ゼロから考えると、それだけで疲れてしまいます。ネタ切れは、実は「ネタの集め方」が決まっていないことが原因の場合が多いです。
- 成果が見えないまま書いている:書いた記事が読まれているのか、何かにつながったのかが分からないと、続ける理由が見えなくなります。
ここで大事なのは、「更新頻度が落ちた=ブログが失敗した」ではないということ。検索から読まれる記事は、更新が止まっている間も、静かに読まれ続けていることがあります。まずは、その事実を確かめに行きましょう。
判断の目安:手元の数字で「今のブログ」を確かめる

判断に使うのは、ふだんの道具で十分です。新しいツールは要りません。30分ほど時間をとって、次の3つを確かめます。
(1) 検索から読まれている記事があるか
Search Consoleの「検索パフォーマンス」で期間を直近12か月にし、「ページ」タブを開きます。URLにブログのディレクトリ(/blog/ など)を含むページで絞り込むと、どの記事が検索で表示され、クリックされているかが分かります。
多くの場合、読まれているのは一部の記事に偏っています。全部が読まれていなくても、気にしなくて大丈夫です。「この数本は今も読まれている」と分かることが、判断の土台になります。見方に自信がないときはSearch Consoleで検索流入を確認する|最初に見る基本からどうぞ。
(2) 問い合わせや営業につながった記事があるか
GA4で問い合わせ完了を計測しているなら、ブログ記事を読んだあとに問い合わせた流れがあるかを見てみます。計測がまだなら、営業担当に「お客さんから『ブログを読んだ』と言われたことはありますか」と聞くだけでも、立派な手がかりです。計測の準備は問い合わせ件数をGA4で計測する|キーイベント設定の手順にまとめています。
(3) 月に使える時間がどれだけあるか
これがいちばん大事です。理想ではなく、この3か月の実績から見積もります。1本書くのに4時間かかるなら、月に4時間とれるかどうか。兼務の時間の確保は兼務のWEB担当が作業時間を確保する|上司に通る相談の進め方も参考になります。
3つを確かめたら、次の表で当てはめてみます。きっちり当てはまらなくても大丈夫。いちばん近いものを選べば十分です。
| 状況 | おすすめの続け方 |
|---|---|
| 読まれている記事がある・月に数時間とれる | ① ペースを落として続ける(月1本など、守れる数に) |
| 読まれている記事がある・新しく書く時間はない | ② 手入れに回す(読まれている記事を最新に保つ) |
| ほとんど読まれていない・時間もない | ③ いったん休む(読まれている記事だけ残し、時期を決めて再開を考える) |
①ペースを落として続ける:守れる数に決め直す
続けると決めたら、最初にやるのは本数を「守れる数」に下げることです。月1本でも、四半期に2本でも構いません。止まってしまうより、少なくても続いているほうが、自分にとっても会社にとっても、ずっと気持ちが楽です。
- 新しく書く記事と、手入れする記事を交互に:今月は新しく1本、来月は読まれている記事を1本見直す。こうすると、ネタに困る月が減ります。
- 書く日を先に決める:「毎月第2火曜の午後」のように、カレンダーに枠を入れてしまいます。空いた時間に書こうとすると、たいてい空きません。
②手入れに回す:読まれている記事を育てる
新しく書く時間がないときは、今ある記事の手入れに専念するのも立派な続け方です。検索から読まれている記事は、内容が古くなると、読んだ人をがっかりさせてしまうことがあります。逆に、少し手を入れるだけで、より読まれるようになることもあります。
- 料金・制度・サービス名・画面の説明が今と合っているかを確かめる
- 読まれているのにクリック率が低い記事は、タイトルと説明文を見直す(titleとmeta descriptionの書き方)
- 似た内容の記事が何本もあれば、1本にまとめる(重複コンテンツ・カニバリの直し方)
手入れの進め方は古い記事をリライトして、検索順位を立て直す進め方で詳しく紹介しています。直したら、更新日の見せ方も整えておくと親切です(記事の公開日・更新日の見せ方)。
③いったん休む:「止まっている」を整えておく
休むと決めるのも、ちゃんとした判断です。そのときは、放置ではなく「整えて休む」ことを意識します。
- 読まれている記事は消さない:検索から人が来ている記事を消すと、その入口がなくなってしまいます。まとめて削除するのは避けましょう。
- 古くて誤解を招く記事だけ直す:終了したキャンペーンや、もう提供していないサービスの記事は、内容を直すか、注記を入れておきます。
- 再開を考える時期をカレンダーに入れる:「半年後に、もう一度数字を見る」と決めておけば、休むことが後ろめたくなくなります。
トップページやメニューに「ブログ」が目立つ形で残っていて、最新記事が何年も前のままだと、訪れた人が「この会社、動いているのかな」と感じることがあります。休むときは、ブログへの入口を少し控えめにしたり、お知らせなど日々更新している場所を前に出したりすると、印象が落ち着きます。
ネタの回し方:頭の中ではなく「現場の質問」から拾う
続ける・再開するときに困るのが、ネタです。ここは、自分で考えないのがコツです。会社の中には、お客さんの「知りたい」がすでにたくさん眠っています。
- 問い合わせ・営業でよく聞かれる質問:「納期はどれくらい?」「小ロットでも頼める?」。同じ質問が3回来たら、それは記事のネタです。
- Search Consoleの検索キーワード:自社サイトに、どんな言葉で人が来ているかを見ると、「本当はこれが知りたかったんだな」という記事のタネが見つかります(Search Consoleで検索クエリを深掘り)。
- 社内の詳しい人の一言:現場の担当者に5分だけ話を聞くと、外からは書けない記事になります。会社ならではの経験は、検索でも信頼してもらう手がかりになります(E-E-A-T|会社の信頼性を検索に伝えるページ整備)。
ネタは、思いついたその場でメモに1行足しておきます。「ネタ帳」のファイルを1つ作って、質問をそのまま貼るだけで大丈夫です。書く日になったら、そこから1つ選ぶだけ。ゼロから考える時間がなくなるだけで、書くのはぐっと楽になります。キーワードの探し方は検索キーワードの探し方|無料でできる調べ方の手順もあわせてどうぞ。
具体例:月4本の目標を下ろして、月1本で回り始めたEさんの場合
社員80人ほどの設備工事会社で、総務と兼務でWEBを担当しているEさんのケースです(よくある状況をもとにした例です)。
- それまでの状態:「施工事例と豆知識を月4本」と決めて始めたブログは、3か月目から失速し、最後の投稿から8か月が過ぎていました。上司に聞かれるたびに「すみません、そのうち」と答えるのがつらかったそうです。
- やったこと:
- Search Consoleで直近12か月を見ると、ブログ記事のうち、検索から安定して読まれているのは3本だけ。そのうち1本(給湯器の交換時期の記事)は、営業担当によると「読みました」と問い合わせてくるお客さんが何人かいた。
- 上司に「月4本はやめて、月1本にします。1本は新しく、次の月は読まれている3本を順に見直します」と、数字を添えて相談した。
- 営業担当に頼んで、お客さんからよく聞かれる質問を10個書き出してもらい、ネタ帳にした。
- 変わったこと:書く日をカレンダーに入れ、ネタ帳から選ぶだけにしたことで、半年間、月1本が途切れませんでした。上司への報告も「止まっています」から「読まれている記事を育てています」に変わり、気持ちがずいぶん軽くなったそうです。
本数を増やしたわけではありません。数字を見て、守れるペースに決め直し、ネタの集め方を決めた。それだけです。
見直すと、何が変わるか
- 「やらなきゃ」の重さが減る。続け方を自分で選んだ状態は、止まっているのとはまったく違います。
- 社内に説明できるようになる。「読まれている記事」「つながった問い合わせ」を数字で言えると、ブログに使う時間の理由が伝わります。
- 今ある記事が働き続ける。手入れした記事は、新しく書いた記事と同じくらい、ときにはそれ以上に、読む人の役に立ちます。
- ネタ切れで止まりにくくなる。現場の質問がネタ帳にたまっていけば、書く日に迷わなくなります。
明日やること
- Search Consoleで直近12か月のブログ記事のクリック数を見て、読まれている記事を3本メモする。
- 営業や問い合わせ担当に「ブログを読んだと言われたことはある?」と一言聞いてみる。
- この3か月の実績から、月にブログへ使える時間を書き出す。
- ①続ける ②手入れに回す ③いったん休む、のどれにするかを決めて、上司に一言共有する。
全部を一度にやらなくて大丈夫です。今日は1の「読まれている記事を3本メモする」だけでも、ブログの見え方が変わってきます。
チェックリスト
まずはこの3つができていれば十分です。最低ラインはここに絞ります。
- 検索から読まれているブログ記事が、どれか分かっている
- 続ける・手入れに回す・休む、のどれにするか決めている
- 読まれている記事を、まとめて削除していない
残りは「余裕があれば」の任意項目です。当てはまらなければ、空欄のままで問題ありません。
- 更新の本数を、この3か月の実績から守れる数にしている
- 書く日(または見直す日)をカレンダーに入れている
- お客さんからよく聞かれる質問を、ネタ帳に書きためている
- 終了したサービスやキャンペーンの記事を、直すか注記している
- 休むときは、再開を考える時期を決めている

ブログが止まっていたあいだも、あなたはサイトの更新や問い合わせ対応で、会社をちゃんと支えてきました。止まったことを責める必要はありません。数字を見て、今の自分に合う続け方を選べば、それがいちばん長く続く形です。まずは、読まれている記事を3本、見つけるところから始めてみましょう。
よければ、こちらも
読まれている記事を育てたいときは古い記事をリライトして、検索順位を立て直す進め方へ。ブログの成果を社内に伝えたいときはアクセス解析の月次レポートを15分で作る、生成AI検索も見すえて記事を整えたいときは生成AI検索に引用されやすいサイトにするもどうぞ。「うちのブログはどうするのがいい?」と迷ったら、お問い合わせからいつでも声をかけてくださいね。