
サイトの表記ゆれを整える|一人でも回る、かんたん校正ルール
公開したあとのサイトを何気なく眺めていて、「あれ、このページは『お問合せ』で、隣は『お問い合わせ』だ」と気づいて、少しヒヤッとしたことはありませんか。
間違いというほどではない。でも、そろっていない。会社概要は「弊社」、採用ページは「当社」。あるページは「WEBサイト」、別のページは「Webサイト」。一人でサイトを長く回していると、こういう小さなズレは自然にたまっていきます。
まず言いたいのは、これはあなたの不注意ではない、ということです。表記がゆれるのは、書く人が悪いのではなく、「どっちで書くか」を決めた1枚のメモが無いだけです。今日は、その1枚を作って、公開前にサッと見直すだけの、かんたんな校正ルールを一緒に整えます。
結論:表記ゆれを整えるコツは、①よくゆれる言葉を書き出す → ②「うちはこっち」を1枚のメモに決める → ③一括置換でまとめて直す → ④公開前にそのメモで見直す、の4ステップです。
全ページを今日そろえる必要はありません。まずは用語集を1枚作るだけ。よく使う10語くらいから始めれば、今日15分でできます。
何が起きているのか
表記がバラバラになるのは、たいてい書いた時期と書いた人が違うからです。
サイトのページは、一度に全部作るものではありません。会社概要は3年前、採用ページは去年、お知らせは毎月。そのときどきで、あなた自身の書き方も少しずつ変わりますし、途中で別の担当者や制作会社が触ることもあります。それぞれの時点では正しく書いているのに、並べると食い違う——これはごく自然に起きることです。
「多少ゆれていても、意味は通じるからいいのでは」と思うかもしれません。実際、読めなくなるわけではありません。ただ、表記がそろっていると、読む人はそれと気づかないまま「きちんと管理されているサイトだな」と受け取ります。逆にゆれていると、内容は良くても、どこか雑な印象がうっすら残ることがあります。会社の信頼に関わるページほど、ここは効いてきます。
もうひとつ、地味ですが実務的な理由があります。表記がそろっていないと、あとで探すのが大変になるのです。たとえば社名の旧称が残っていないか確認したいとき、「株式会社○○」と「(株)○○」が混在していると、片方で検索しても全部は見つかりません。統一されていれば、一度の検索で拾えます。
補足:ここで言う「表記ゆれ」は、誤字脱字とは少し違います。誤字は「間違い」、表記ゆれは「どちらも正しいけど、混ざっている」状態です。だから直すときも、犯人探しではなく「うちのルールはこっち」と決めるだけで済みます。
手順を小さく分ける:表記を整える4ステップ

一気に全部そろえようとすると、手が止まります。次の順番で、少しずつ進めます。①だけでも今日できます。
- よくゆれる言葉を書き出す:まずは犯人探しではなく、材料集めです。自社サイトを2〜3ページ眺めて、「これ、別のページでは違う書き方だったかも」と思う言葉をメモします。社名、あいさつ語(弊社/当社)、英単語の大文字小文字、送り仮名あたりが定番です。10語も出れば十分なスタートです。
- 「うちはこっち」を1枚に決める:書き出した言葉ごとに、採用する方を1つ選んで表にするだけです。「お問い合わせ(○)/お問合せ(×)」のように、使う方と使わない方を並べておくと、あとで見返しやすくなります。この1枚が、これから先ずっと効く「用語集」になります。迷ったら、より多くのページで既に使っている方に寄せると、直す量が減ります。
- 一括置換でまとめて直す:ページを一つずつ手で直すのは大変です。多くのサイトでは、管理画面やエディタの「置換」機能でまとめて直せます。ただし置換は影響が大きいので、次の§で注意点を1つだけお伝えします。まずは1語だけ試して、うまくいくか確かめてから広げるのが安全です。
- 公開前にそのメモで見直す:これから新しく作るページは、公開ボタンを押す前に、用語集をチラッと見て突き合わせます。「作る」より「作ったあとに1回見る」を習慣にすると、ゆれが増えなくなります。
一括置換だけ、少し気をつける
置換はとても便利ですが、思わぬところまで巻き込むことがあります。ここだけ、事故を防ぐコツをお伝えします。
たとえば「web」を「Web」に置き換えようとすると、メールアドレスやURLの一部(webmaster@... のような箇所)まで書き換わってしまうことがあります。短い言葉や、他の単語の一部にも含まれる言葉ほど、この巻き込みが起きやすいです。
防ぐコツはシンプルです。①いきなり「すべて置換」を押さず、1件ずつ確認しながら進める。②置換する前に、そのページのバックアップ(コピー)を取っておく。この2つだけで、ほとんどの事故は防げます。特に本番サイトを直接触る場合は、コピーを取ってからにすると安心です。
ここは現場でも手が滑りやすいところです。だからこそ、1語試す→確認→次の語という小さな刻みで進めるのが、結局いちばん早くて安全です。
明日やること
- 自社サイトを2〜3ページ開いて、ゆれていそうな言葉を5〜10個メモする。社名、弊社/当社、WEB/Web、お問い合わせ/お問合せあたりから。
- メモした言葉ごとに、「使う方」を1つ選んで表にする。スプレッドシートに「使う(○)/使わない(×)」の2列だけで十分です。これが用語集の第一版になります。
- 次に新しいページを作るとき、公開前にその表を1回見る。まずはこの「見る習慣」を1つ作れれば、今日は十分です。
一括置換や全ページの統一は、材料(用語集)がそろってからのほうが、ずっと落ち着いて進められます。
チェックリスト
全部を今日やる必要はありません。まずは最低ラインの2つから。
最低ライン(これだけは)
- ゆれていそうな言葉を5〜10個書き出した
- それぞれ「使う方」を1つ決めて表にした(用語集の第一版)
余裕があれば(推奨)
- 社名・旧称の表記がサイト内でそろっているか確認した((株)/株式会社 など)
- あいさつ語(弊社/当社、御社/貴社)をどちらかに寄せた
- 英単語の大文字小文字(WEB/Web、EC/ec など)を統一した
- 数字・単位の全角半角(1つ/1つ、%/%)の方針を決めた
- 一括置換の前にページのバックアップを取った
- 置換は1件ずつ確認し、メールアドレス・URLを巻き込んでいないか見た
- 用語集を共有できる場所に保存した(次の担当者・制作会社に渡せる形で)
- 新しいページの公開前チェックに「用語集を見る」を1行足した

表記をそろえる仕事は、派手さはありません。直したところで、誰かに褒められるわけでもない。でも、こういう地味な整えこそ、サイトの信頼をそっと支えています。
そして、一度で完璧にする必要はありません。用語集は使いながら足していくものですし、ゆれを見つけるたびに1行追記すれば、少しずつ育っていきます。
今日は用語集を1枚作るところまで。それだけで、次にページを書くときの迷いが、ひとつ減っているはずです。
よければ、こちらも
公開前の見直しをまとめて仕組みにしたいときは、自社サイト更新・公開前チェックリストが土台になります。文章まわりではtitleとmeta descriptionの書き方や見出し(h1〜h3)の使い方も、そろえる観点で読み直すと発見があります。置換の前のバックアップに不安があればサイトのバックアップと復元の基本もどうぞ。「うちのサイトはどこから整えれば?」と迷ったら、お問い合わせからいつでも声をかけてくださいね。