
サービスページのSEO|書き方を整えて検索と問い合わせにつなげる
自社サイトの「事業内容」のページを、久しぶりに開いてみたときのこと。書いてあることは間違っていないし、写真もきれい。それなのに、このページから問い合わせが来た記憶がない——そんな感覚になったことはありませんか。
営業からは「サイトを見て、と言っても伝わらない」と言われる。検索してみると、うちより小さそうな会社が上に出ている。かといって、どこをどう直せばいいのかは、正直よく分からない。ページ自体はちゃんとあるだけに、手のつけどころが見えないんですよね。
先にお伝えしておくと、これは文章力の問題ではありません。多くの場合、サイトに書かれている言葉が「社内で使っている言葉」のままで、お客さんが検索窓に打ち込む言葉と、少しだけずれているだけです。今日は、その距離を縮める作業を、一緒に順番にやっていきましょう。
結論:サービスページは、①1サービス=1ページに分ける → ②お客さんが実際に使っている言葉を集める → ③その言葉でページの最初の画面に「誰の・どんな困りごとを・どう解決するか」を書く、この3つで土台が決まります。
そのうえで、進め方・費用の目安・よくある質問まで書ききると、検索から来た人が「ここに聞いてみよう」と思える状態に近づきます。
今日は、サービスページを1枚選んで、最初の画面を声に出して読んでみるだけで十分です。
何が起きているのか
検索する人の頭の中を、少しのぞいてみます。
会社の外にいる人は、あなたの会社のサービス名を知りません。だから「◯◯ソリューション」「△△サポートパック」といった自社の呼び名では検索しません。代わりに打ち込むのは、たいてい次のような言葉です。
- 困りごとそのもの:「工場 騒音 対策 相談」「請求書 電子化 進まない」
- 一般的なサービス名+条件:「産業廃棄物 収集運搬 大阪」「業務システム 開発 会社 中小」
- 判断のための言葉:「◯◯ 費用 相場」「◯◯ 選び方」「◯◯ 依頼 流れ」
一方で、多くの会社サイトの「事業内容」ページは、複数の事業がひとつのページに並んでいて、それぞれ2〜3行の説明、という形になりがちです。これは社内の人が読むには分かりやすい構成ですが、検索の側から見ると少し不利になります。ページが「何について詳しく書かれたページなのか」がはっきりしないためです。
これは手を抜いていたからではありません。サイトを作った当時は「会社案内のパンフレットをWEBにする」のが目的だったことが多く、その名残がそのまま残っているだけです。パンフレットは、すでに会社を知っている人が読むもの。検索から来る人は、会社を知らない状態で読む。読み手が入れ替わっているのに、原稿だけが当時のまま、という状態なんですね。
よくある「うちも当てはまるかも」
現場で見かけやすいのは、次のようなパターンです。ひとつでも当てはまったら、それはむしろ改善の余地が残っているということです。
- 事業紹介が1ページに全部入っている:3〜5事業が並んで、それぞれ数行。どのサービスの検索にも届きにくい状態です。
- 自社の商品名だけで書かれている:「スマートケアパック」とだけ書かれていて、それが清掃サービスなのか保守契約なのか、外からは分からない。
- 対応エリア・対象・規模が書かれていない:「全国対応です」も「関東のみ」も書かれていないと、読んだ人は問い合わせる前に迷います。
- 費用について一切触れていない:「お問い合わせください」だけだと、比較検討の段階の人は、たいてい静かに離れていきます。
- 写真は多いが、文字が少ない:きれいなページほど、検索エンジンにも読み手にも中身が伝わりにくいことがあります。
- 問い合わせ先がページの一番下にしかない:長いページの場合、読み終える前に戻られてしまいます。
どれも「悪いページ」ではありません。会社を知っている人向けにはよくできていて、知らない人向けの案内が足りていない、というだけのことです。
手順を小さく分ける
全ページを一度に直そうとすると、まず終わりません。主力のサービス1つから始めてください。
- 直す1ページを決める:売上の柱になっているもの、または営業が「これを知ってほしい」と言うものを1つ選びます。迷ったら、改善の優先順位を決める考え方の視点で絞ってみてください。
- お客さんの言葉を集める:ここが一番効きます。集める場所は4つ。①これまでの問い合わせメールの文面(お客さんが自分の言葉で困りごとを書いてくれています)、②営業やサポートが電話で聞いている言葉、③Search Consoleの検索クエリ(すでに来ている人が使った言葉が分かります)、④検索窓に打ったときに出るサジェストや、検索結果の下に並ぶ関連キーワード。10〜20語をメモに書き出せば十分です(探し方はキーワードの探し方で詳しく整理しています)。
- 1サービス=1ページに分ける:事業がまとまっているなら、主力の1つを独立したページに切り出します。元のページは各サービスへの案内役として残せば大丈夫です(サイト全体の分け方はカテゴリ設計の基本が参考になります)。
- 最初の画面に、3つを書く:ページを開いて最初に見える範囲に、「誰のためのサービスか」「どんな困りごとを解決するか」「何をしてくれるのか」。この3つが1〜2文で分かれば、読み手は先を読んでくれます。ここで2で集めた言葉を使います。
- 見出しを、お客さんの疑問の形にする:「サービス概要」「特徴」といった社内向けの見出しより、「どんなときに使うサービスか」「依頼から納品までの流れ」「費用の目安」のほうが、読む人にも検索にも伝わります。見出しの組み立て方は見出し(h1〜h3)の使い方を参考に、h1はページに1つ、h2・h3は入れ子の順番を守ってください。狙う言葉を不自然に詰め込む必要はありません。自然に1〜2回入っていれば十分です。
- titleとmeta descriptionを書く:titleは「サービスの一般名+会社が提供できること」。社名だけのtitleにしないのがコツです。書き方はtitleとmeta descriptionの書き方にまとめています。
- 関連ページとつなぐ:実績・事例、よくある質問、会社概要、問い合わせフォームへのリンクを本文中に置きます。行き来できると読み手も回りやすくなります(内部リンクの見直し方)。
- 公開して、1か月後に見る:公開した瞬間に順位が動くことはまずありません。Search Consoleで、そのページがどんな言葉で表示されるようになったかを、1か月後に確認します。
まずは「2. お客さんの言葉を集める」だけでも、その日の一手として十分です。書き直しはそのあとで大丈夫です。
ページの中身は、この順番だと迷いにくい
書く順番に迷ったら、読む人が知りたい順に並べるのが確実です。上から4つのかたまりで考えると組み立てやすくなります。

- 困りごと:どんな状況の人のためのサービスか。「こんなことでお困りではありませんか」の形でも、お客さんの事例を1つ書く形でもかまいません。ここが合っていると、読む人は「自分のことだ」と感じます。
- できること:対応する作業の範囲、対応エリア、対象となる規模や業種。やらないこと(対応範囲外)を書いておくと、問い合わせの質が上がります。ミスマッチな相談が減ると、営業もあなたも助かります。
- 進め方:問い合わせから、打ち合わせ、見積もり、着手、納品、その後まで。期間の目安(「初回相談から着手まで、おおむね2〜3週間」など)まで書けると、検討している人の不安がかなり減ります。
- 費用の目安:ここが一番迷うところですよね。金額を出せない事情がある場合も多いと思います。それでも、「何によって金額が変わるか」だけでも書いておくと、読み手の納得感はまったく違います。「面積と回数で決まります」「初期費用+月額です」といった書き方でも十分です。金額を載せるときは、どこまで含むか・条件・税込か税別か・いつ時点の価格かを必ず添えてください(条件を書かずに「業界最安」のような表現を使うと、景品表示法の観点で問題になることがあります)。
この4つに加えて、余裕があれば実績・事例とよくある質問を足します。実績は会社の信頼を伝える材料になりますし(考え方はE-E-A-T:会社の信頼性を検索に伝えるへ)、よくある質問は営業が電話で毎回答えていることをそのまま書けば形になります(FAQページの作り方)。
補足:FAQの構造化データについて。以前は検索結果に質問と回答が展開表示されることがありましたが、現在この表示は限られたサイトにしか出ません。表示狙いだけで無理に入れる必要はなく、あくまでページの内容を正確に伝える目的で扱うのがおすすめです。詳しくは構造化データ(パンくず・FAQ)の入れ方にまとめています。
整えると、何が変わるか
すぐに順位が上がる、という話ではありません。実際に変わりやすいのは、もう少し手前の部分です。
- 問い合わせの内容が具体的になる:「サービスについて教えてください」ではなく、「◯◯の件で、こういう状況なのですが」と書かれた相談が届くようになります。
- 営業が説明する量が減る:進め方や範囲がページに書いてあると、初回の打ち合わせが本題から始められます。
- 社内で共有しやすくなる:営業が「詳しくはこのページを見てください」と送れるURLができます。これは検索とは別のところで、じわじわ効きます。
- 検索での見え方が分かるようになる:1ページに集約されていた状態と違い、Search Consoleで「このページはこの言葉で見られている」と分かるようになります。次の打ち手を考える材料が手に入ります。
順位はあとからついてくるもの、くらいに構えておくのがちょうどいいと思います。すでに順位がついているページを立て直したいときは、記事をリライトして順位を立て直す進め方の手順がそのまま使えます。
明日やること
短時間で終わるものから並べました。1つだけでも前進です。
- 主力サービスのページを1つ選び、最初の画面を声に出して読む(5分)。「誰の・何を・どう」が言えるか確かめる。
- 過去の問い合わせメールを10件ひらいて、お客さんが使っている言葉を書き写す(15分)。自社の言い回しとの違いに印をつける。
- Search Consoleでそのページの検索クエリを見る(10分)。想定していない言葉が入っていたら、それがヒントです。
- 営業に「お客さんから一番よく聞かれることは何ですか」と聞く(15分)。答えがそのままFAQの1問目になります。
- 競合3社の同じサービスのページを開いて、書いてあって自社にない項目をメモする(15分)。真似ではなく、抜けの確認として(競合サイトの調べ方)。
チェックリスト
まずはこの3つ。ここが押さえられていれば、土台はできています。
- 主力サービスが、独立した1ページになっている
- ページの最初の画面で「誰の・どんな困りごとを・どう解決するか」が分かる
- お客さんが実際に使っている言葉が、本文と見出しに入っている
そのうえで、余裕があるときに。埋まっていない項目は「次の宿題」として置いておけば大丈夫です。
- 対応エリア・対象・規模と、対応範囲外のことが書かれている
- 問い合わせから納品までの進め方と、期間の目安がある
- 費用の目安、または「何で金額が変わるか」が書かれている(条件・時点も添えた)
- 実績や事例が1つ以上ある
- よくある質問が3問以上ある
- titleが社名だけになっておらず、サービスの一般名が入っている
- 問い合わせへの導線が、ページの途中と最後の両方にある(CTAボタンの文言・位置)
- 関連する事例・FAQ・会社概要へのリンクがある
- 公開から1か月後に、Search Consoleで見え方を確認する予定を入れた

サービスページを書き直すのは、正直しんどい作業です。文章を考えるのは時間がかかるし、社内の確認も要る。しかも直したからといって、来週いきなり問い合わせが増えるわけでもありません。
ただ、この作業には、検索順位とは別の価値があります。自分の会社が誰の何を解決しているのかを、外の人の言葉で言い直す——これは、WEB担当のあなたにしかできない仕事です。営業も、制作会社も、その両方を同時には見ていません。
今日、問い合わせメールを開いてお客さんの言葉をひとつ書き写したなら、その時点でもう、ページはお客さんのほうを向き始めています。全部を今日やらなくて大丈夫。1ページずつで十分です。
よければ、こちらも
サービスページを整えたら、次は見つけてもらう工夫を。狙う言葉の探し方はキーワードの探し方、検索結果での見え方はtitleとmeta descriptionの書き方、ページ内の組み立ては見出し(h1〜h3)の使い方へ。「ページは直したのに問い合わせが来ない」と感じたら問い合わせが来ない原因を切り分けるチェック、いまのアクセスから件数の見込みを立てたいときは問い合わせ数 試算・逆算 計算機もどうぞ。地域で探されている会社ならGoogleビジネスプロフィールを整えるも合わせて効いてきます。「うちのサービス、どう書けば伝わる?」と迷ったら、お問い合わせからいつでも声をかけてくださいね。